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コンサル出身の3名に聞きました! コンサルと監査法人の働き方の違いとは?

田中 洋範(たなか・ひろのり)
経営管理コンサルタント
2014年中途入社

中川 善貴(なかがわ・よしたか)
ビジネスリスクコンサルタント
2016年中途入社

山本 悠太(やまもと・ゆうた)
財務報告アドバイザー
2009年PwCコンサルティング新卒入社


これまでのキャリアについて教えてください

田中:
コンサルティングファームから転職して、丸9年経ったところです。
前の会社も面白く大好きだったのですが、もう少しグローバルな環境で、かつ経営者に近いところで働きたいという思いがあり、監査法人のコンサルティング職を選びました。

そこからはその思いが叶って、クライアントである日系企業が海外進出するにあたって、海外でのガバナンスの強化、内部監査やリスク管理といった視点から支援しています。 

中川:
新卒で総合系コンサルティングファームに入社し、7年前に転職してきました。
前職では会計まわりの業務プロセス改革や、その裏に紐づくシステムの導入・刷新に関わるプロジェクトマネジメント業務に携わっていました。自身の専門性を高めたい、より幅広い業務を経験したいと思い監査法人に入社しました。

入社後はM&A後の組織作りや、大規模なシステムの第三者評価などを手がけています。最近では地方創生や復興支援、地域の中小企業の支援といった公共案件に多く関わっています。

山本:
私は「元コンサルタント」ではあるのですが、同じPwC JapanグループのPwCコンサルティングから転籍してきました。

PwCコンサルティングには新卒で入社して10年ほどいたのですが、監査法人との協業プロジェクトが多く、その縁があって3年前に移ってきました。PwCコンサルティングにいた頃に監査法人と一緒にやっていた業務内容と、今監査法人の中でやっている業務内容はほとんど同じで、会計や財務領域のプロジェクト管理に従事しています。


監査法人の特徴は「専門性」

中川:
前職ではクライアントや業界が変わっても実務は類似しており、プロジェクトマネジメントが中心でした。そのスキルはある程度は習得、修練できた感覚があり、プラスαで自分の中でもう1つ専門性を身に付けたいという思いが芽生えていました。そんなタイミングでたまたま知り合いから「監査法人はどうか」と言われたのが転職のきっかけです。監査法人は会計士が働く場所だと思っていたので、会計士資格を持ってない自分が働けるとは全く思わなかったのですが、そこから興味を持ち始めました。

山本:
私もやはり「専門性」が1つのキーワードでして、専門性を個人が突き詰めながらキャリアを登っていく監査法人に比べ、コンサルティングファームはいろいろな経験をしながらビジネススーパーマンになっていくような、そういうところだと思うんですね。 実際に人事評価もそれを前提としていた気がします。個人の専門性というよりも、どれだけのプロジェクトをデリバリーしたかといったような、量的な部分にフォーカスした評価が多い印象でした。

そうなると自分のキャリア、もっと平たく言うとアソシエイトから始まって、マネージャー、シニアマネージャー、その先を目指す上でより必要になってくるのは、専門性というよりも、量をこなす動き方や働き方、整理の仕方が求められるところがあります。
一方でクライアントが監査法人に求めるものや期待するものは「専門性」であり、その点が大きく違います。

そのため監査法人における人事評価の軸は専門性の深さであり、その点が重視されます。自分のやりたいこと、専門性を突き詰められることをベースに仕事ができる環境が整っていることから、コンサルティングファームから移りました。

田中:
私も同じで、やはり「専門性」が大きいですね。

前職には7年強ほど務めて、日々楽しく業務ができていました。ただ、ふと自分のキャリアを振り返って「何ができるようになったのだろう」と考えた時に、「人前で喋れる」「提案資料をきれいに作れる」「プロジェクトマネジメントができる」となったのですが、「それで今後どういうキャリアが待っているのだろう」というところが少し見えづらかったんです。自分が何屋さんだ、というところを胸張って言えるかというと、あまり実感がなくて、漠然とした不安を5年目ぐらいからずっと抱えていました。
入社後はGRCの専門家になれたと自負しています。
入社当初は資格を取るなんてことは考えていませんでしたが、公認内部監査人(CIA)という資格も取得できましたし、専門性を追求できています。


コンサルでの働き方との一番の違いは?

田中:
私が違いを感じるのは、アサインメント(人の配置)です。

一般的なコンサルティングファームだと「100%アサイン」でクライアント先常駐の案件が非常に多いと思います。実際、私自身も4年間同じクライアントに常駐していました。
 
一方で、監査法人ではあまり100%アサインというケースは多くはなく、スタッフレベルから複数のプロジェクトに並行してアサインされるケースが多いと感じます。クライアントへの提案の仕方の違いにもよりますが、人のアサインメントがコンサルティングファームとは大きく異なると思います。

中川:
マルチアサインはそのとおりだと思います。私は前職に7年いましたが、経験した案件は5件で1番長い案件が2年半。クライアント先に常駐し、自分の会社に行くのは年に2回ぐらいでした。

監査法人に来てからこれまでにアサインされた案件は40以上です。関与できる案件の数が圧倒的に違うというところがまず大きいですし、新卒でも1年目から複数の案件を並行して担当するのが当たり前です。

前職では1プロジェクトに100%アサインだったので、入社してすぐは結構ギャップはありました。複数の案件をどう自分でコントロールしていくかというところは、最初とっつきにくかったのですが、今ではむしろ気分転換にもなりますし、同時にいろんなテーマの情報が入ってくるので、その分自分が成長できていると感じています。

山本:
100%アサインだと、その期間がそのまま自分のキャリアにもなってしまうという点はありますよね。

仕事上、クライアントから「他社さんではどうしていますか」とよく聞かれると思うのですが、色々な会社を見ていないとそもそも答えられません。そういう意味でいうと、マルチタスクのコントロールは求められますが、いろんな会社のケースを知ることで自分の専門性を磨いていけるという点が監査法人の特徴の1つかもしれません。


アサインメントはどのように決まりますか?

中川:
案件のジョブマネージャーとは別に、キャリアを支援するキャリアコーチが必ずつきます。コーチとの対話の中で「この1年どう過ごしていくのか」「中長期的にどういうキャリアを目指して、どういう専門性を身に付けていきたいか」などを定期的に会話しながら、アサインを調整しています。

山本:
アサインがくじ引きのように勝手に決まるということはないです。自分自身がこういうキャリア、こういう専門性を持ちたいというところを決めて、コーチと相談しながら希望を伝えていきます。必ず希望が通るというわけでもないですが、本人の希望が尊重されていると思います。組織全体でアサインメントが決まるので、いろんな案件に出会えるチャンスがコンサルティングファームよりも多いと思っています。

田中:
本人がどんなエンゲージメントを通じてどんなスキルを今後身に付けたいと考えているのかについて密にコミュニケーションを取った上で、その希望をなるべく満たせるようなアサインメントが実現するように、アサインメントチームやキャリアコーチが尽力している印象があります。
 
当然、自分の部署の中では希望するサービス領域がないといったこともあるのですが、監査法人全体ではかなり広い領域を取り扱っているので、大体希望を満たせるような形になってると思います。

ある期間はこのパートナーと働いているけれども、終わったら次は別のパートナーと働く、といったような形も多くあり、アサイメントの縦割りは非常に少なく、横連携が多いと感じます。

~私にとってのIntegrity~

「Integrity(インテグリティ)のある毎日を」。
求める人物像として、Integrity(誠実であること)を特に重視しています。記事を書いてくれたメンバーにとっての「Integrity」を聞きました。

~私にとってのIntegrity~
前提として、色々な「Integrity」に対する捉え方があって(あったほうが)良いと思いますが、私にとっての「Integrity」とは「オーナーシップをもって、やり切ること」です。
プロフェッショナルファームでは、クライアントが持つ課題に対して、オーナーシップをもち、逃げずにやり切ったうえで結果にコミットすることが、最も重要だと考えるからです。そのためには他責ではなく自責の念を常に持つこと、自身の役割に対して線引きをしないでプロアクティブに提案し続けること、自分1人でやり切ろうとせずに関係者(クライアント含む)の力を集結・最大化させること、の3つを常に意識しています。(田中)

~私にとってのIntegrity~
クライアントからの相談内容は多種多様で難易度も高いものも多いです。そういった環境の中、ご相談をいただくクライアントの期待値を超えることをプロフェッショナルとして常に意識しています。また、クライアントに常に寄り添うだけでなく、正しくないことは正しくないと言える関係を構築し、クライアントのその先のステークホルダーに対しても貢献できるよう意識を持って取り組んでいます。(中川)

~私にとってのIntegrity~
Integrityとは、「嘘をつかない、だまさない、裏切らない」ということに全て集約されると思っています。私たちのビジネスはクライアントとの「信頼関係の構築」が基本にあり、これはパフォーマンス云々の前に、そもそも「嘘をつかない、だまさない、裏切らない」ことが前提となっているはずです。そういう意味で言えば、これは最終的な理想像の類ではなく、プロフェッショナルとしての最低限のラインかもしれません。一方で、意図しなくとも、本意に敢えて沿わないコミュニケーションを取ることを迫られる場面があるかもしれません。この点が、最低限のラインと言いつつ、実際にはさまざまな葛藤が伴う可能性がある部分であり、Integrityを実践する上での難しさなのだと思います。(山本)

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