私、PwCに入る前はこんな仕事をしていました!【保険アクチュアリー】
生命保険会社に新卒で入社し、アクチュアリーとして活躍していたSakaiさん。自身の希望に合わせたキャリアを柔軟に築ける環境を求めて、PwC Japan有限責任監査法人に転職しました。採用担当リクルーターのMunさんが話を聞きました。
― Sakaiさんの経歴を教えてください。
大学院修了後、国内生命保険会社にアクチュアリーとして採用されました。そこで団体保険や退職金制度の運用等に関する業務を3年半担当した後、PwCあらた有限責任監査法人(現PwC Japan有限責任監査法人)に転職しました。
― 今はどんな仕事をされていますか。
入社当時はシニア・アソシエイトの職階で入社し、現在はマネージャーとして働いています。求められる役割は少し変わっていますが、大きくは監査とアドバイザリーの二軸の業務があります。監査業務では生命保険会社のクライアントに対し、日本の会計基準(J-GAAP)や米国の会計基準(US-GAAP)への換算を支援しています。特に保険負債と呼ばれる財務諸表上の負債項目について、計算の妥当性や前提の確認を行ったりしています。
― アドバイザリー業務ではどんな仕事がありますか。
生命保険業界では2025年度から財務の健全性基準が新たに導入されるため、各社が計算の体制整備などの準備を進めています。そこに対してアドバイザーとして支援を行うことが多いです。それ以外にも、実際の商品開発の支援なども行っています。
― 監査業務とアドバイザリー業務の比率はどれくらいですか。
入社当時は半々くらいでしたが、現在はアドバイザリー業務が少し多くなっています。大体6:4くらいの割合です。
― 監査業務への抵抗感は特にありませんでしたか。
私の場合、特に抵抗感はありませんでした。前職で団体系の商品を担当していましたが、団体系はアクチュアリーの業務としてはどちらかというとサブ的な位置づけで、メインの業務ではありませんでした。アクチュアリーとしての基本的な経験が十分でないと感じていたので、監査業務はむしろ良い機会になったと思っています。
― 転職のきっかけは。
前職では異動の機会が少なく、新しい業務に挑戦するタイミングが限られていたため、もっと柔軟にキャリアを進められる環境を求めてPwCへの転職を決めました。転職先候補として外資の生命保険会社もありましたが、そちらは特定の専門性に特化した働き方が基本だったためいろいろな業務にチャレンジできる環境があるところが良いと思っていました。また、他の監査法人も検討しましたが、監査とアドバイザリーのバランスが取れたPwCに魅力を感じ、最終的に現在のPwC Japan監査法人への入社を決心しました。
― PwCのアクチュアリーの部門は、専門部門としては競合と比べても規模が大きいと思いますが、キャリアを検討する上で影響はありますか。
組織規模が大きいので、個人に焦点を当てた際にチャンスを逸する可能性があるのではという懸念を持つ方もいるかもしれませんが、私はそうは思いません。実際はクライアントからの依頼に応じて業務が決まるので、個人が希望する仕事に携われるかどうかは運の要素もありますが、私は入社以降希望する業務についてきましたし、同僚をみていても個人の希望に沿ったアサインは比較的通りやすいと感じています。また、管理職以上がアサインに関与しますが、私自身が管理職になってからもスタッフの希望を可能な限り取り入れるようにしています。クライアントに仕事を提案する際、特定の資格を有する人員を求められることがあるのですが、その際に人員が多いとクライアントに安心感を与え、仕事をより任せてもらいやすくなります。規模の大きさはクライアントに安心感を与えることができるという利点もあり、むしろ多くのビジネスチャンスに繋がっていると思います。
― これまでで特に印象に残っている案件について教えてください。
新しい生命保険会社のクライアントに対し、商品開発を支援した案件です。プロジェクトに参加できたこと自体が非常に貴重な経験でした。商品開発では、既存市場に似た商品を作るだけでは成功しません。保険料を低くする、または他社の商品とは異なる独自の価値を提供する必要がありました。当時私はシニアアソシエイトとして、ジョブマネージャーの指導の下で働いていましたが、アイデアを出したり、計算上の工夫を検討する議論に参加したりすることができて、非常に刺激的で面白かったです。
― 入社当初はアクチュアリーの準会員だったと思いますが、正会員はいつ取得されましたか。
入社してすぐでした。10月に入社して、その年の12月に試験を受け、無事に合格しました。試験が入社してまもなくだったので試用期間内でしたが、試験休暇(有給)も取らせてもらいました。転職時には前職の有給を消化する形で1カ月ほど休みがあったので、その期間に集中して勉強しました。
― 入社して、前職とのギャップはありましたか。
やはりクライアントワークである点が前職とは大きく異なりました。前職は社内でのコミュニケーションで完結することが多かったですが、クライアント先に提案する成果物としてジョブマネージャーからは、どのくらいの時間をかけて、どのレベル感で進めるかといった具体的な指示がありました。時間に見合った成果を求められる緊張感がありましたが、スタッフレベルでも責任を持って取り組むことができるのはやりがいも感じました。
― どれくらいで慣れましたか。
だいたい半年くらいですかね。ジョブマネージャーの方もサポートしてくださったので、半年後には「こうやって進めていけばいいんだな」と感覚を掴めました。
― ジョブマネージャーやコーチとは頻繁にコミュニケーションを取っていましたか。
はい、特にジョブマネージャーとはよく話をしていました。当時は出社が基本だったので、オフィスで見かけるたびにちょっと相談したり。今やっている仕事が期待に沿っているか確認しながら、必要であれば方向を調整するなど、報連相(ほうれんそう)を大切にしていました。
― 入社後のギャップはありましたか。
クライアントワークだからこそですが、思っていた以上に個人の仕事に裁量がありました。前職では、自分が作った資料を先輩や上司に見せて最終的にでき上がったものは自分の作ったものとはかけ離れていることがありましたが、PwCでは自分が作った成果物が上長のレビューを経てそのまま直接クライアントに届くので、責任が大きいと感じました。嬉しくもあり、緊張感もありました。
― 最後に、応募を検討されている方へのメッセージをお願いします。
PwCのアクチュアリーとしての業務は幅広く、高い専門性を得られる環境が整っています。業務内容が多様であるだけでなく、アクチュアリーのメンバーもさまざまなバックグラウンドを持っていて、私のような生命保険会社出身の方をはじめ、コンサルティングや監査法人から来た方も多くいます。このような多様性の中でアクチュアリーとしての知識を深めることができるので、もしスキルアップを考えている方がいらっしゃれば、ぜひ応募してください!
【執筆/編集:note編集部・Ikeda、撮影/リクルーター・Kinemuchi】