私、PwCに入る前はこんな仕事してました! 【ニューヨークでジャズピアニスト】
新卒で入社した会社を3年で退職、ニューヨークで学業の傍らジャズピアニストとして活躍していたMiyazakiさん。帰国後、USCPAの資格取得を機にPwC Japan有限責任監査法人に入社しました。採用担当リクルーターのMinowaさんが話を聞きました。
― Miyazakiさんの経歴を教えてください。
大学を卒業後、地元のゼネコン系企業で総務・人事職として新卒で働き始めました。約3年間勤務したのですが、その間、週末にはジャズピアニストとしての活動をしていました。活動を通じてさまざまな方とのご縁があり、「ニューヨークで勉強してみないか」というお誘いを受けて仕事を退職、それから約4年間の米国での生活を経て帰国し、米国公認会計士(以下、USCPA)の全科目合格後にPwC Japan監査法人に入社しました。
- ニューヨークではどのような生活をされていましたか。
昼間は大学に通って言語や一般教養、音楽の勉強をしていました。大学の授業が終わると、夜にはさまざまな場所で演奏活動を行うという生活を続けていました。
- USCPAの資格取得を目指されたのは、どういった経緯からなのでしょうか。
2020年、新型コロナウイルスのパンデミックがニューヨークを直撃して、その影響で大学が閉鎖され、ほぼ同時期にレストランもクローズしてしまったんです。演奏活動の場がなくなり、ニューヨークにいる意味がないと判断しました。そこで帰国し、USCPAの勉強を始めたんです。
- USCPAを選んだ理由は何かありますか。
大きな理由の一つとして、ニューヨークにいた頃の友人がUSCPAを取得して現地の会計事務所に就職していたことがあります。それまでは正直、会計士という仕事についてもよく分かっておらず、Big4という言葉も米国に行って初めて耳にしたほどだったのですが、調べてみると日本では働きながら資格を取る人も多いことが分かりました。これなら、私でも勉強に専念すればできるかもしれないと思い、挑戦することにしました。
- そうだったんですね。現在はどういった業務をされているのですか。
資産運用アシュアランス部(以下、AWM)に所属しており、主な業務内容は、資産運用に関する投資信託の監査です。国内の投資信託ファンドの監査と、外国籍のオフショアファンドの監査を担当しています。また、ファンドを作る会社、いわゆる資産運用会社の監査にも従事しています。
ー エージェントを通じて紹介を受けたときの印象はどうでしたか。
実は、転職エージェントの方から「あなたは資産運用アシュアランス部にしか受からない」と言われたんです。それが事実だったかは分かりませんが、「さまざまなバックグラウンドを持つ人を採用する方針なので、Miyazakiさんに合うのでは」とのことで、そうかもしれないと思いました。資産運用にはあまり馴染みはありませんでしたが、お金を安全に増やしたいと考える顧客と、お金を安全に増やす役割を担うファンドの運用者側が共通の目標で動いているという点が、クリーンで魅力的な業界だと思いました。掘り下げてみると非常に面白そうで、自分も好きになれるのではないかと感じました。
ー 入社の決め手になった一言やエピソードはありますか。
決め手になったのは、面接の印象です。面接官だったパートナーの方がこれからの私のライフプランについて非常に親身になって考えてくれたんです。採用の選考要素として質問するのではなく、私の人生が楽しく、不安なく過ごせるように、そしてそれをどのように法人や部門がサポートできるかを真剣に話してくれたことがとても印象的で、決め手になりました。
ー 面接を受けているというよりも、一緒にライフプランを考えてくれる面談のような場だったということですね。
そうですね。たとえその時にPwC Japan監査法人への入社を決めていなかったとしても、自分の人生にとって非常に良い影響を与える時間だったと思います。
ー 入社してみて、印象はどうでしたか。
面接官の方だけでなく、部門の皆さんも似た自由な雰囲気を持っていると感じました。前職が典型的な日本企業だったこともあり、ギャップを感じました。
ー 監査の仕事に初めて携わってみて、いかがですか。
監査の仕事は一生飽きることがないと思っています。学ぶことが多く、特に資産運用業界は変化が激しいため、昨日の「イエス」が今日は「ノー」になることもあります。規制の変更やチーム内での方針の再考など、掘り下げていく中で変わることが多く、飽きずに続けられる気がしています。
ー 入社して、思ったより〇〇だったというようなギャップはありましたか。
思っていたよりも服装に関しては自由でした。最初は毎日スーツを着なければならないと思っていました(笑)。前職ではスーツを着る必要がなかったので、転職にあたってスーツを用意すべきだと考えて2〜3着購入しましたが、実際には一度も使っていません。私自身、スーツを着ることがあまり好きではないので、服装が自由なことはありがたいと感じています。
加えて、友人がたくさんできたことも、入社前の想像との大きなギャップでした。転職前は、仕事はあくまで仕事という気持ちが強かったのですが、いざ入社したら仕事だけではもったいないくらい面白く魅力的な人たちがいて、気付けば休日に遊んだり一緒に旅行したりと楽しく過ごしています。
ー せっかく買ったスーツ、今後着る機会はありそうですか。
今後、インチャージとしてクライアントの重役の方たちとのミーティングに参加する機会が増えると思いますので、来年以降はスーツを着る機会が増えるかもしれませんね。
ー ニューヨークでのピアニストとしての経験が活かされている場面はありますか。
非常に活かされていると思います。ライブのMCとして人前で話をするという経験を通じて、度胸がつき、メンタルを落ち着ける力が養われました。米国に行くまでは英語を全く話せませんでしたが、今では外国籍の方たちと英語で会議をすることもあります。
ー 現在、英語の使用頻度は日本語と比べてどのくらいですか。
現在は日本語が約8割、英語が約2割という状況です。多いときには英語が10割になることもあり、1週間ずっと英語だけを話す時期も過去にはありました。
ー PwCでのキャリアや今後の目標を教えてください。
まずは今のジョブでシニアアソシエイトに昇進し、その役割をしっかりと果たすことが、今後2〜3年のキャリアの目標です。同時に、私がいいなと思っているのは、互いをサポートし合う部門のカルチャーです。男女問わず育休を取る方が多く、私のチームでも育休中の方がいますが、誰も「休むこと」を特別視せず、いなくなる分を皆でカバーしようという風土があり、これが普通のこととして受け入れられています。今後、子どもを持つなど人生を大きく変えることも仕事を続けながら可能だと前向きに考えています。
ー 音楽活動を再開される予定はありますか。
もう音楽をやることはないかなと思っていたのですが、最近大学の先輩から「セッションをやっているから遊びに来なよ」と誘ってもらい、趣味の範囲で音楽活動を再開してみようかと思っています。音楽に関連して言えば、部署に関係のない上司や先輩ともスタジオでセッションをしたことがあります。これもまた、音楽を通じた貴重な経験でした。
ー どういうきっかけで集まったのですか。
私が以前音楽をやっていたことを何かの機会に知ったようで、「一緒にやってみよう」と声をかけていただきました。それでメンバーを集め、課題曲を決めてスタジオで演奏することになりました。
ー 音楽をきっかけに、法人内のネットワークも広がっているんですね。
そうですね。AWMの人たちは皆さん多様な趣味を持っていて、お酒が好きな人も多いですが、さまざまな趣味を通じて繋がっています。休日にはみんなで遊びに行ったり、何かを観に行ったりすることもあり、夜の飲み会だけでなく多様な活動を楽しんでいます。
ー 最後に、新しい仲間へのメッセージをお願いします。
私はミュージシャンをしていた時に、自分のいるコミュニティで受け入れられ、リスペクトし合えることが人生で最も大事だと気づきました。おそらく、これからもずっとその環境を求めて生きていくと思います。
例えば、お金やワークライフバランス、この人と働きたいという感情など、自分が「これのためなら頑張れる」と思えるものを見つけることが大切だと思います。すでにそれが決まっている人でも、多くの人と会うことで見えてくることもあります。とにかく、いろいろな人に会い、さまざまな経験をしてみることをおすすめします。その上で、私たちの職場に来ていただけたら非常に嬉しいです。多くの人と出会い、さまざまな経験をした上で、PwCを選んでくださることを心から願っています。
【執筆/編集:note編集部・Ikeda、撮影/リクルーター・Kinemuchi】