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私、PwCに入る前はこんな仕事をしていました!【 アセットマネジメント系金融機関】

日系のアセットマネジメント系金融機関でローテーションを経験したOriharaさんは30代に入り、自身の専門性を深めたいと考え転職しました。採用担当リクルーターのTakahashiさんがお話を伺いました。

(左:中途入社者)S. Orihara
ガバナンス・リスク・コンプライアンスアドバイザリー部(2018年 中途入社)

(右:採用担当者※インタビュアー)R. Takahashi
人事部 採用担当リクルーター

― Oriharaさんの経歴を教えてください。

大学時代にはゼミで金融工学を学び、卒論では今で言う「ロボアドバイザー」のプログラミングを書いたりしていました。

大学卒業後は、アセットマネジメント系の金融機関でファンドの資金管理、営業企画、商品開発などを経験しました。アセットマネジメント領域の実務のほか、VBAやEUCを使用した社内ツールの開発、業務効率化に係る経験を積んでいました。

前職は日系大手企業で安定していて待遇もよく、毎週水曜日はノー残業デーであるなど働きやすい環境で満足していたのですが、ローテーションによって「ジェネラリスト」を目指すことに不安を感じていました。そこで、自分のキャリアを考え直して、専門性を高められる環境を求めて転職しました。

― そのような背景があったのですね。ちなみに、現在の仕事内容はどのようなものなのでしょうか。

ガバナンス・リスク・コンプライアンスアドバイザリー部(GRC)のレギュレーションチームで、金融規制関係のアドバイザリー業務をしています。今携わっているのは、金融機関の市場ビジネスに関する業務変革プロジェクトです。

― プロジェクトの内容についてもう少し嚙み砕いて教えていただけますか。

金融機関をクライアントとして、業務の高度化や変革を支援しています。規制が大きく関係する領域ではないですが、業務の高度化や変革を考えるうえで規制対応は必ず論点となりますし、「複雑な物事をオペレーションに反映する」という観点では、規制対応も業務の高度化・変革も似ていると感じています。

これは他のコンサルティングファームも関与する大規模なプロジェクトで、私たちはプロジェクトのタスクやスケジュールの管理をしたり、クライアントが直面する実務的で複雑な課題を論理的に整理・解決したりすることを支援しています。これらの支援を行うにあたっては、金融機関の文化・実務を知っていることが活かせていると感じます。

― 転職を考えた理由を教えてください。

まず、専門知識を深めたかったからです。前職はスペシャリストよりはジェネラリストを育てる方針で、例えば商品開発の部署にいた時に、業務に直接関係しない専門的な領域まで広げて調べることはあまり求められていませんでした。そしてそこにもどかしさを感じ、専門知識を身に付けられる所に行きたいと考えるようになりました。そんな折、USCPAに合格できたことで、監査法人への転職を決めました。

― USCPA試験に合格した上で、会計系ではなく規制系のアドバイザリーを選ばれたのはなぜですか。

入社後は自ら希望して規制系のプロジェクトに参画しました。規制領域の知見があったわけではないのですが、「金融規制は新しい領域でもあり、新しい規制に早い段階から着手できているとその第一人者になれる可能性がある」とアドバイスをもらい、ナンバーワンよりオンリーワンが自分にはフィットすると思い、規制系のプロジェクトへの参画を選びました。規制領域の経験はなく初めてだったのですが、周囲からのサポートもあり、スムーズにキャッチアップできたと思います。

― 入社の決め手を教えてください。

未経験領域への転職だったため、待遇面は一時的に下がることになりましたが、それを上回るくらいの将来性を感じていました。コンサルタントは常に知識をアップデートしなければなりませんが、その専門性があれば将来的にもマーケットで価値のある人材でい続けられると考えました。面接を担当して下さったパートナーからは「Oriharaさんが今から本当に頑張れば、私より若いタイミングでパートナーになれるよ」とも仰っていただき、PwCのパートナーになれる可能性がある、それにチャレンジできる、ということは非常に魅力的に感じました。

― 面接官の印象はどうでしたか。

人事の方1名とビジネスサイドの方2名に面接をしていただきました。皆さんハキハキとスマートに話されて、優秀そうな方々だと感じました。PwCの人に共通しているのですが、やわらかい雰囲気で、スマートな方が多い印象を持ちました。

― 入社後、どのようなプロジェクトを経験しましたか。

クライアント先に常駐するプロジェクトが多かったですね。特にグローバル案件が多く、どの案件でも英語のリーディングとライティングは必須でした。クライアントの海外子会社関連のプロジェクトで、ニューヨークやロンドンでの仕事も経験しました。

また、私がこれまで関わったプロジェクトの8~9割は、PwCコンサルティング合同会社など、PwC Japanグループ内の他法人とコラボレーションしてデリバリーする案件が占めています。数十人規模の大きなプロジェクトになることが多いですが、私たちは監査法人に所属するメンバーとして、専門知識や品質には特にこだわりを持って取り組んでいます。

― 一般的には「コンサルタント=ハードワーク」のイメージがあるようなのですが、実際の働き方はどうですか。

提案の直前など忙しい時期はありますが、最短でいいものを出さないといけないというマインドがあり、だらだら長時間働くということはないです。コンサルタントというと明け方まで仕事をして早朝からミーティングに出るといった極端なハードワークのイメージがあるかもしれませんが、そんなことは全くないです。

― メリハリを付けて頑張る時は頑張る、ということですね。

はい、その通りです。海外出張も多い大変なプロジェクトが終わった後には、1カ月程の長期休暇をいただいたこともあります。努力と結果は必要ですが、オン・オフは付けられると思います。

― 新しい職場に慣れるために苦労したことや、大変だったことを教えてください。

1点目は品質面で、“20の時間で80点を出す”ことよりも“100の時間で100点を出す”ということが規制系のプロジェクトにおいては求められることもあります。この点は前職とは考え方が違い、意識を変える必要がありました。

2点目は、「高単価の報酬をクライアントからいただくからには、いかに時間をうまく使うかを意識する」というプロフェッショナルマインドを身に付ける、ということでしょうか。上司からは、「常に期末試験を受ける気持ちで取り組んでください」と言われました。30分のミーティングであっても、アジェンダを整理する、あるいは議事録残すなど、付加価値を出そうという姿勢が求められます。

3点目として、自分のキャリアを自分で決めるという点です。前職は人事異動に自分のキャリアを委ねていました。PwCでもスタッフクラスは育成観点で上司にアサインを決められることが多いですが、常に「何がしたいですか」「将来どうありたいですか」と聞かれます。そのような点に慣れるまでは大変だったかもしれません。

― 入社後のギャップはありましたか。

人間関係がドライというわけではなかったのは意外でした。社内には仕事熱心な方が多く、40代になってから会計士の資格を取って入社した人、50代になっても自ら手を動かして資料作る人など、周りの方々のバイタリティや能力の高さを感じました。だからといって、仕事第一で関係がドライかというとそうではなく、雰囲気が柔らかく、スマートな方が多いと思います。

― 新しい仲間へのメッセージをお願いします。

中堅くらいの年代になると、「自分の好きなことって何だろう」「自分って何者なんだろう」ということを考えることも多くなると思います。今好きなことが将来も好きとは限らないので、ぜひ自分の得意なことで、価値ある仕事に取り組むことを優先してください。得意でできるから、もっと好きになれます。
PwCは「Build trust in society and solve important problems(社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する)」というPurposeを掲げており、社会的に価値のある仕事に携わることができます。ぜひ入社して、価値のある仕事に自分の時間を使ってもらえたらと思います。

~私にとってのIntegrity~

上記にもいくつかIntegrityの要素が含まれていますが、さらに2つの要素を追加で紹介いたします。1. 私は採用面接も担当しており、ある候補者から「ご自身がプロフェッショナルになれたと感じたのはいつ頃ですか」と質問を受けたことがあります。しかし、マネージャーになった今でもプロフェッショナルになれたと感じたことはありません。もう1人の面接官も同じことを話していました。現状に満足せず、常に成長過程であると考えることが、品質を求める/求められるうえで重要と考えます。2. チームメンバーに改善点を指摘する際、自分からすれば“業務上の指導”と思っていても、受け手側はそう感じない可能性もあるため、とても気を遣います。それでも「言わないと相手は気付かない・成長できしない・評価されない、結果的に相手に失礼」と上司から言われたことがあり、私も実践しています。

担当リクルーター編集後記:
Oriharaさんには採用活動に関する相談にも乗っていただき、以前から自然体でお話しやすく素敵な方だと思っていましたが、今回の取材を経て新たな発見がありました。それは、今までの業界知見やスキルを活用し、中長期的な視点でキャリアを構築してきたという点です。そして、その環境としてPwC Japan有限責任監査法人を選んでもらえたことを嬉しく思います。監査法人は専門性が武器となりますので、「品質に妥協せず、常に最高のアウトプットを心がける」というお話は監査法人のアドバイザーを象徴するものだとも感じました。今回の取材を通じてOriharaさんの人柄、そしてGRC部門を身近に感じることができ、私としても貴重な体験となりました。ありがとうございました。

【執筆/編集:note編集部・池田、撮影/リクルーター・杵鞭】