「農業」に向き合ったことが自分らしいライフスタイルを見つめ直すきっかけに。【Collective Impact Base】
「Collective Impact Base」は、PwC Japanグループ内で社会課題の解決に関する研究や議論を行う場です。
社会課題のテーマごとに関心のあるメンバーが集まり、その課題を多角的に学び、解決方法をともに考える「コモンズ活動」を起点とし、コレクティブ・インパクトの創出を目指します。
もともと食や農業に関心があり、コモンズ活動が立ち上がると聞いて参加しました。
大学で農業経済学を専攻していて、食や農業に関心がありました。
しかし、卒業後は金融機関で働いていて、農業の分野から遠ざかっていました。
PwC Japan有限責任監査法人に入社後、「食や農業関連の業務に関わりたい」と話していたら、部門の先輩に「コモンズ活動で農業が始まる」と教えていただき、活動に参加しました。
コモンズ活動を通じて、再び農業に向き合う機会を得て、とても感謝しています。コモンズ活動に参加することで、社内での人脈が広がり、通常の業務以外の時間を持つことで視野が広がりました。それによって、日々の充実感を感じることができるようになりました。農業のおかげで美味しい食事を楽しめることに感謝しながら生活し、最近では自分の子どもたちにも食育を進めています。
10年以上前の卒業論文を再び発表。仲間とともに知識を広げる。
これまでは、チームメンバーの農業に関する知識を広げることに注力してきました。オンラインでの定例会と社外イベントの2つに参加し、活動を行っています。
定例会では、メンバーが興味を持ったテーマについて調査し、発表を行います。それに対して他のメンバーが質問や気づきを共有し、自由な対話をする流れです。
これまでのテーマは「なぜ耕作放棄地が増えるのか」「持続可能な農業とは何か」「アグロエコロジーとは何か」など、非常に興味深い内容でした。
また、チームメンバーには農学部出身者、農水省出身者、森林インストラクターの資格を持つ人々がおり、昼休みには大学での研究テーマや農水省での仕事内容、資格に関する情報共有の会議も行っています。
私も10年以上前に卒業論文で取り組んだ「コメの消費量の変化と今後の増加の可能性」について共有しましたが、再び発表する機会があるとは思ってもいませんでした。
また、社外イベントへの参加については、各自が興味を持った農業関連のイベントに個人的に参加し、参加した感想などを定例会やチームのチャットスペースなどで共有しています。
私も農水省主催の農業参入フェアなどに参加しました。今後は貸農園を借りて、フィールドワークを行い、農業チームメンバーだけでなく、PwC Japanグループ内の方々や農園の方々と直接交流を深めながら、新たな気づきを得ていく予定です。
また、将来的にこれらの活動をビジネスに繋げるための取り組みも始まっています。
政策や社会課題に関連する公共事業を対象とするパブリックセクターのサービスにおいて、農福連携の支援を検討しており、私もその活動に参加しています。
このように、業務を通じて農業関連の案件に関わる機会もあります。
「半農半X」という生き方を知り、自分らしいライフスタイルが新たな目標に。
定例会やチャットでの交流の中で、新たな発見がたくさんありました。
これまでの活動で知った言葉で特に印象的だったワードは、「半農半X」「自産自消」「小農」「身上不二」です。
「半農半X」とは、京都府在住の塩見直紀氏が著書『半農半Xという生き方』(ちくま文庫)等を通じて1990年代半ば頃から提唱してきたライフスタイルで、自分や家族が食べる分の食料は小さな自給農でまかない、残りの時間は「X」、つまり自分のやりたいこと(ミッション)に費やすという生き方のことです。
このような生き方は、収入が減っても心豊かな暮らしを追求したい人々から支持を受けているとのことで、このワードは今の自分にとても刺さりました。本活動を通して「半農」に必要な経験を得ながら、「半X」についてはクライアントへの会計アドバイザリー業務を経験していき、自分にあった生き方をしていきたいと考えるようになりました。
また、農作業が幸福感に与える影響を調査するために、計測メガネを使用して脳の健康状態を確認する実験も行っています。農作業の効果が明確に示され、広く認知されることで、「半農半X」を実践する人々が増え、より心豊かな社会になっていくのではないかと期待しています。